深谷幸子さん [鹿の子絞り]
ひと粒ひと粒、丹念に鹿の子を括っていく深谷さん。いつもにこにこ、柔らかな雰囲気のお母さんです。

鹿の子絞りは似たようなものが世界中で作られていますが、日本では京都から有松に伝わったと言われています。振袖など豪華な着物によく用いられ、数ある絞りのなかでもひときわ細かい技法です。一反の総鹿の子絞りの浴衣。括る鹿の子の数は、なんと20万から25万粒になるのだとか。

深谷さんは定期的に有松・鳴海絞会館で絞りの実演をしています。来客者に話しかけ、いつも絞りのことを丁寧に説明してくれます。でも、パチンパチンと、括る手はやっぱり休みません。働き者のふっくら柔らかな手がとても印象的。

「遊びのなかで、遊び半分で覚えたんだよ。弟のお守りが済んだ中学生の頃にね。親とか隣のお姉さんがやってるのをみて、そして親が畑に行っている間に黙ってやるの。よく叱られたよねえ。手が違う、こんなやり方はいかん、とかって。でもはじめてお金を貰ったときは本当に嬉しかった」

初めての商品は端に鹿の子を施した男性の兵児帯だったとか。深谷さん、貰ったお金を握りしめて消しゴムやえんぴつを買いに走ったそうです。

深谷幸子さん
2006.12.22|20:54ものづくり人comments(0)trackbacks(0)
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