試作品、ぞくぞく。
このプロジェクトの小冊子の取材に、有松へ行ってきました。私個人としては2度目の訪問です。訪ねた先は、5箇所ほど。一番最初に伺った鳴海の「明和さん」で、ちょうど染め上がった試作品を一足早く見せてもらいました。半野外の、ものすごく高い天井から吊るされ干された反物が、はたはたと風に揺れています。これまでに見たことがないような、有松鳴海絞り。とてもきれい!
前回の訪問時、過去にアフリカへ輸出していたという、絞りと注染(型紙と糊で防染した布に染料を注いで染める技法のこと)をかけ合わせた布を見せてもらいました。その面白さに、脇阪さん(SOU・SOUテキスタイルデザイナー)が興味津々の様子だったので、きっとそれをヒントにこのデザインが出来あがったのではと思います。う〜ん、しかし、こうきたか。
お花の形に赤の縦じまが入ったものなんて、とってもポップでかわいいのです。楽しくなってくるデザイン。これは一体何になるのでしょう。浴衣?洋服?
話は戻って、ここは「手筋絞り」が得意な明和さん。絞りが専門の工房ですが、じつはここには注染の道具も揃っていたのです。注染ができる工房は全国的にどんどん減りつつあり、SOU・SOUの本拠地・京都でも、数年前に最後の1軒がなくなってしまったのだとか。そんな中で有松鳴海に注染ができる工房があったことは、何よりの嬉しいニュースだったようです。
プリントのように表面的ではなく、布にじゅわっと染料が入り込んだ注染は風合いもとてもよいのです。本物の絞りには、本物の注染。有松鳴海の工房で絞り、染めたものを、有松鳴海でもう一度染める。産地のなかでのコラボレーションですね!
佐藤文絵

