有松鳴海絞りのはじまり
絞り染めは、模様を染め出すために人間がいちばん最初に始めた技法であると言われています。
布の一部を糸で括ったり縫いしめたり、道具や板で締めつけたり挟んだりして、つまり絞って、その部分に染料が浸み込むのを防ぎ、後にそれが模様として現われます。
世界中の至るところで行われているこのプリミティブな技法を最も洗練させたのが、私たちの国・日本。そして、愛知県の有松鳴海が絞り染めの一大産地です。

有松鳴海絞りの歴史は約400年前、江戸初期にまでさかのぼります。
1608年に開村した有松。農業には適さないこの土地で、村おこしとしてはじまったこの産業は、竹田庄九郎以下先人たちのたゆまぬ努力の結果、有松鳴海絞りとして大いなる繁栄をもたらしました。

いちばんはじめに作ったのは蜘蛛絞りというやり方で染めた「手ぬぐい」。
隣接の村、知多の木綿の布を使い、道中の必需品・手ぬぐいを染めて、旅人たちへ売ったのです。白い木綿に鮮やかに藍で染め出された蜘蛛の巣のような模様。有松の絞り染めは、またたくまに東海道の定番土産となっていきました。
尾張のお殿さまの庇護も受けて、有松の絞り染めは発展の一途を辿ります。工夫に工夫を重ねて、絞りの手法が次々と考案されていきます。色も藍だけでなく、紅や紫にも染められ、よりいっそう華やいでいきました。

絞りで栄えた有松鳴海の町は、広重の東海道五十三次をはじめ、多くの浮世絵に描かれています。時のスーパースター・歌舞伎役者からも愛用されて、有松の絞り染めはまさに憧れの的。街道沿いに立ち並ぶ豪奢な呉服店を、東海道を上り下りする旅人は羨望の眼で眺めていたに違いありません。

東海道五十三次ほか
2006.10.27|09:36有松鳴海絞りのことcomments(0)trackbacks(0)
<< 展示会についてお知らせホーム本間とめ子さん [手蜘蛛絞り] >>
コメント
コメントする








この記事のトラックバックURL
http://arimatsunarumishibori.jp/trackback/16
トラックバック